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演技もしていたけど、……こうやって、異国の地に安いホテルに一人きりになってみると虚しい。
今日撮った韓国の動画や写真を眺めてやり過ごそうとする。
けど。いくら振り払おうと思っても、キスされたときのあの濃密な感触があたしを手放そうとはしなかった。
*
「なんで。ここにあなたが……」
「『Handsome woman』好きなら絶対ここに来ると思っていた。……おまえ、〇ンスタにすぐに写真あげるのよせや。おれみたいな、おまえに首ったけのやつが案外見てるんだぞ」
韓国で超有名な、そして一度は行ってみたいと思っていたデパートの前に、翌日、彼が立っていたのだ。
……確かに、明日はこのデパートに行こうって写真あげたけど……。
え。なんで特定されてるの。怖。
「あなた、……イケメンさんですけど、もしかして、ストーカーさんですか?」
「きみはおれを知らない。けども、おれはきみを知っている」悪びれもせずに、正々堂々とイケメンさんは言ってのける。
「ずっとずっと、好きだった。……過去形じゃなくって、現在進行形で」
ひゃっほーぃ。イケメンさんからの告白来たぞー。
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