☆01. 出会いは、鮮烈なキスと共に

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 なんて言われて本当に、出入り口付近で数々の、きらびやかな、過去のファンデのケースを見ていた。この化粧品店は、六十年もの歴史があるらしく、王朝時代から王室の御用達だったんだとか。壁には歴代の円形のファンデケースがずらりと飾られ、韓国の荘厳な歴史を感じさせる。 「花。お待たせ。……行こ?」  あれ。なんかオレンジのでっかい紙袋持っているけど……まさか。 「え。お会計済ませてくれたの?」 「うん。花の好きそうなもの全部買っておいた」 「そんな。悪いよ」 「ひとまず出ようっか。この手のやり取りは店の外に致しましょう」  確かに。そこらじゅうに、化粧を綺麗に施した店員さんがおり、あたしたちは挨拶をし、そのお店を出た。  * * * 「ねえ。もう、本当……」  そこからお洋服のショッピング、韓国で有名なコスメショップ、オリーブヤングで爆買いをしてから、一旦荷物をホテルに預け、夕方に入ったので市場に来ている。市場は活気があって熱気がすごい。毎年夏は暑すぎてやんなっちゃうけど、こういうときに、よかったなと思う。
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