196人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
なんて言われて本当に、出入り口付近で数々の、きらびやかな、過去のファンデのケースを見ていた。この化粧品店は、六十年もの歴史があるらしく、王朝時代から王室の御用達だったんだとか。壁には歴代の円形のファンデケースがずらりと飾られ、韓国の荘厳な歴史を感じさせる。
「花。お待たせ。……行こ?」
あれ。なんかオレンジのでっかい紙袋持っているけど……まさか。
「え。お会計済ませてくれたの?」
「うん。花の好きそうなもの全部買っておいた」
「そんな。悪いよ」
「ひとまず出ようっか。この手のやり取りは店の外に致しましょう」
確かに。そこらじゅうに、化粧を綺麗に施した店員さんがおり、あたしたちは挨拶をし、そのお店を出た。
* * *
「ねえ。もう、本当……」
そこからお洋服のショッピング、韓国で有名なコスメショップ、オリーブヤングで爆買いをしてから、一旦荷物をホテルに預け、夕方に入ったので市場に来ている。市場は活気があって熱気がすごい。毎年夏は暑すぎてやんなっちゃうけど、こういうときに、よかったなと思う。
最初のコメントを投稿しよう!