☆01. 出会いは、鮮烈なキスと共に

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 夏はとにかく食べ物が美味しい。ましてや、ここは韓国で最大級の市場。甘いものも辛い物もなんでもアリ。  けどあたしは気になっていた。彼、しれっと気づかない間にお会計しちゃうんだもの! もう、とんでもない額を買って貰ってしまった……。  あたしは彼のシャツの袖を引いた。ん? と顔を向ける長身の彼に、そっと、足首を浮かせ、彼の耳に届くように、 「あなたって、リチャードギア目指してるかなにか?」 「そうかも」とあたしの頬を手で包み込む彼は、「I wanna kiss you. May I ?」 「No, I can't……」  市場の真ん中で。両の頬を包み込まれ、また、あの、ダイナマイト級のキスを食らう。  触れる息が、熱い。ねっとりと、こちらの意識を溶かし込むような濃厚なキスに、頭の奥がしびれそう……。 「んぅ、あっ……」 「キスされているときのおまえ、どれだけエロい顔してるのか自覚ある?」 「あるわけ、ないでしょ……っ」  舌が入り込む。目に涙が湧く。腰が抜ける……。
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