196人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
夏はとにかく食べ物が美味しい。ましてや、ここは韓国で最大級の市場。甘いものも辛い物もなんでもアリ。
けどあたしは気になっていた。彼、しれっと気づかない間にお会計しちゃうんだもの! もう、とんでもない額を買って貰ってしまった……。
あたしは彼のシャツの袖を引いた。ん? と顔を向ける長身の彼に、そっと、足首を浮かせ、彼の耳に届くように、
「あなたって、リチャードギア目指してるかなにか?」
「そうかも」とあたしの頬を手で包み込む彼は、「I wanna kiss you. May I ?」
「No, I can't……」
市場の真ん中で。両の頬を包み込まれ、また、あの、ダイナマイト級のキスを食らう。
触れる息が、熱い。ねっとりと、こちらの意識を溶かし込むような濃厚なキスに、頭の奥がしびれそう……。
「んぅ、あっ……」
「キスされているときのおまえ、どれだけエロい顔してるのか自覚ある?」
「あるわけ、ないでしょ……っ」
舌が入り込む。目に涙が湧く。腰が抜ける……。
最初のコメントを投稿しよう!