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花音も、あたしと同じで留学したときは、10kg太ったのに。あたしとは違って、華奢で、ちっちゃくて、守ってあげたくなる、いかにも男が放っておけない女の子で。……元カレが流れたのも分かる気がする。
いかん。せっかく気晴らしに、休みまで取ってはるばる憧れの場所に来たんだから!! とにかく楽しもう!!
ほっぺたをぺちんと叩いていざ憧れのお店へGo。あふれかえる観光客に紛れて、お目当てのコスメを目指して突進した。
*
「あれ。……どうやって行くんだろう……よくわっかんないなぁ」
スマホで地図アプリを見るものの、ハングルは分からんし、地図が苦手なあたしは見方も分からずぶつぶつとひとりぼやいていると、
「Can I help you?」
英語だ。おお。外国人っぽい……と思って見上げたら、いかにもな、しかも、胸にAustraliaとロゴの入ったTシャツを着た中肉中背のお兄さんがにっこりと笑っていた。
「Are you Japanese? Where are you going? Well, let me see ya. 」
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