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有無を言わさずスマホの画面を覗き込んで喋りだす。「Hey! This is where I am heading to!! Wow!! Let's go!!」
いきなり腕を組みだして勝手にずかずかと歩き出すんだけど、……えええ?
ちょっと黒が混じった金髪でひとのよさそうな、肉付きのいいお兄さんだけど。えっとそんな急に……。
「What's your name?」近い近い。距離感バグってるよこのひと。「You are so pretty. You are the greatest girl I have ever seen. So beautiful……」
いやいやこっちはなにも言ってないのになに勝手に話進めてるのこのひと。褒められてもちっとも嬉しくない。
組んだ腕の力が強くて振りほどこうとしてもほどけず、焦った。周りを見た。みんな、自分のことや観光に夢中で、誰もこちらに見向きもしない……!
血の気が引いた。え。こんな、韓国の街の真っただ中で、あたし、拉致される展開?
やだやだ。無理です。あたし、別に、韓国に来たのは、男漁りのためなんかじゃない。
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