☆01. 出会いは、鮮烈なキスと共に

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 自分を見つめなおして、もっともっときれいになるために来たの。  Leave me alone. Go away!! いろんな拒絶のフレーズが脳内で爆ぜるのに、がっちりとした男の手に捕まれて振りほどけずにいる。誰か、……助けて!!  うつむいて、――どうしよう、怖い!! 窮地に陥ったと悟った、そのとき――。 「Excuse me, gentlemen. This is my girl. Hana. 」  知らない声が勝手にあたしの名前を呼んでいた。  反射的に顔を起こす。とそこには、会ったこともない、でも、雑誌のなかに出てくるモデルさんのように、肌が美しくて顔が整った男の人があたしに話しかけていた。彼は彼氏のようににこやかな表情で、 「おーい。ひとりでなにやってんの(はな)。……お兄さんごめんね。この子、おれのもの」  すると彼は突然あたしを姫抱きにして持ち上げる。辺りから視線が集まり、口笛なんかも聞こえた。
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