☆01. 出会いは、鮮烈なキスと共に

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「ばっ……」なに言ってんだこの男の子。恐ろしいこのキス野郎。「な、ナンパ野郎なんかあたしはごめんです!! 女とまぐわいたいのなら、あたしではなく、他の女の子を当たってください!! さよなら!!」    言うだけ言って背を向けてとっとと歩き出した。後ろからなにか声が聞こえたけど無視した。  唇が、熱い……。  からだの奥がしびれた鮮烈な感触。女の中枢を貫かれた余韻に、くらくらする。  頭のなかも、ショーツの中も大変なことになっている……。  けども、唇を手の甲で拭い、鮮烈なる感触を忘れ去るべく地図アプリを見つつ、ひとまずずんずんと足を進めるとふと疑問が。 「あれ。……彼、なんであたしの名前知ってたんだろう?」  知らない子だよね? 日本人で、でも、韓流ドラマに出てきてもまったく違和感のない美貌。切れ長のクールな目元とは対照的に愛くるしいまんまるの黒い瞳があって、肌なんて雪のように白くて。男性だけれど頬のカーブとか繊細で美しい。  あんなに綺麗な男の子と会ったことがあるのなら、絶対に覚えているはず。  うーん。  考えても分からん。
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