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Kの表情からは残念ながらあまりなにも読み取れなかった。自分の鈍感さがつくづく惜しまれる。
社内、と言ったときの彼の反応には特段なにも変化が見られなかった。悔しい。
若林さんとKの名のつく男子が誰なのかを話し合ったが、しかしながら直接関わり合いのない社員や出入りの業者までは考えが及ばない。それに、関りのある社員で、苗字ではなく、下の名でKのつく男子となれば……少なくはないはず。
念のため社員名簿にざっと目は通したが。ピンと来る名がなかった。
本社の社員数は千人以上。出入りの業者や営業までカウントするととても……数えきれない。とてつもない数字だ。
ただ、七條圭一くんがわざわざうちの会社に入社したのならば、Kは、うちの社内にいると考えるべきだと思う。毎日、顔を合わせるのかどうか分からない外部の人間がいるのなら、なにも、うちの会社ではなく、その相手の会社に入社すればいいだけの話。
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