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Takayuki 85
「……ここ、僕のところ……？」
「う、わ……」
腕の中の保科くんが、大きな潤んだ目で俺を見上げながら掠れた声で訊いた。
「うん、うん、そうだよ保科くん。ここは保科くんのところ……。ああもう、なんて可愛いの保科くん」
や…ばい……
保科くんがやけに色っぽく見える。
声、だ……。保科くんの高めの声が耳をくすぐる。
保科くんの細い身体を包み込むように抱きしめて、サラサラの髪に口付けた。
ずっと撫でてみたかった保科くんの黒い髪。思った通りすごく手触りがいい。
髪を撫でて、そして桜色に色付いた頬にキスをした。伏せ気味の長いまつ毛が揺れる。
もう一度口付けたら、保科くんが俺を見上げて、そしてゆっくりと目を閉じた。
赤みを帯びた小さめの唇は、少し開いている。
あの唇は柔らかくて甘い。
知ってしまったら我慢なんかできない。
心臓は速いリズムで打ち続けていて息が苦しい。
可愛らしい小さな唇に唇で触れた。保科くんが腕の中でぴくりと身動ぐ。触れ合っている唇がさらに開いて、濡れた粘膜が吸いつき合う。
その唇をほんの少し舐めた。また保科くんがびくっとする。
……わ……っ
舌……っ、保科くん……っ
舌先がざらりと触れ合った。胸を突き破りそうなほど強い鼓動が、頭の中まで響いている。
2人とも初めてだから動きがぎこちない。
俺がそろりと保科くんの口の中を舐めたら、保科くんは舌をびくりと強張らせて、俺の舌の裏を舐めてきた。
やば……っ
たどたどしいその舌の動きが腰にくる。
キス……できたらって思ってた……けど。
唾液が混ざり合って水音が立つ。お互い息が上手く出来なくて、でも離れたくないから唇を合わせたまま熱い呼気が口の端から漏れた。
体温がどんどん上がっていく。抱きしめてる保科くんの身体も熱い。
この身体に、もう少し触れたい。
でもがっつき過ぎなのはさすがに分かる。
少しずつ滑らかに、唇が、舌が動かせるようになって、頭も身体もじんじんと快感を伝えてきている。
これ以上はやばい。止まれなくなる。
最初より少しふっくらとした保科くんの唇に、ちゅっ、ちゅっとキスをして、名残惜しいなと思いながら唇を離した。保科くんは濡れた唇をはふはふと動かして荒い息を吐きながら、潤みきった瞳で俺を見上げてきている。
うわ……、なんかもう……
全力でかけてるブレーキぶっ壊れそ……っ
「……きかわせんぱ……」
高く掠れた声で俺に呼びかけながら、保科くんがぎゅっと抱きついてきた。
「ん？」
艶々した黒髪の小さな頭を撫でた。意識してゆっくりと息をする。保科くんがチラッと俺を見て、目を逸らした。赤い唇をキュッと噛む。細い身体が呼吸で上下してる。胸にかかる息が熱い。
「……あ…の……」
保科くんが細い腕でしがみつくように抱きついてくる。まだ息が荒くて、必死で整えようとしてるみたいだ。白いチノパンを履いた細い脚が内股気味にもじもじと動いている。
……もしかして……
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