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「……ん、ん…、あ……っ」  ちゅっと唇を離されて声が出ちゃう。先輩の唇が僕の顎に口付けた。 「あ…やっ、あんっ」  先輩の指が僕の先端をぬるぬると弄ってる。 「気持ちいいね、保科くん」  荒い息遣いと共に秋川先輩の少し上擦った声が耳に届いた。 「あ、あ…っ、あ、も……っ」  大きくて熱い手が、優しく、でも止まることなく動いていて、どんどん追い詰められていく。 「ん? いきそ? 俺もやばい……っ」  耳のそばでそう囁いた秋川先輩が、耳たぶにちゅってキスをした。 「あ あ……っ」  くび……っ、また……っ 「…すご……あふれてくる。首、いいの? 保科くん」 「やっ、あ、あ、あんっ」  ちゅって吸って、ぺろっと舐められた。それからまたちゅって…… 「ん、ん、あ……っ」  目の前が真っ白になる感じがして、どくんと弾けてしまった。 「う…わ、やばっ、かわい……っ」 「や、あんっ」  でてる…のに……っ  強めに擦られて更に高い所まで引っ張り上げられるみたいな感じがした。  身体がびりびりしてて、勝手に腰が揺れる。  あ……っ  おなかに……かかった……っ、熱いの……  荒い息を吐きながら、秋川先輩が僕に口付ける。僕の呼吸も乱れていて、2人分の熱い呼気が肌にまとわりついてくる気がする。 「保科くん…保科くん……、好きだ……」  キスを繰り返しながら先輩が囁いた。 「ぼくも…だいすき……」  キスしながら、先輩がふふって笑った。そして、ちゅって跳ねるようなキスをして、にこっと笑って僕を抱きしめる。先輩はそのままちょっとベッドヘッドの方へ移動して、パパッとティッシュを取って僕のお腹を拭いてくれた。  あ……すごい  先輩のまだ…… 「途中、タメ口だったね、保科くん」 「……あ……」  また秋川先輩が、ちゅってキスしてくれる。 「すっごい可愛かったし、すっごい嬉しかった……。ね、保科くん」  じっと目を見つめられてドキドキする。  どんなに見たって慣れない。秋川先輩、格好いい。    先輩の唇がまた、僕の唇に触れる。優しい優しいキス。 「……もっかい聞きたい…タメ口……。だから……」  素肌を撫でる先輩の熱い手のひらが気持ちいい。 「もっかい…しない……?」  そんな甘い声で囁かれて、断れるわけがない  ……断る…なんて選択肢、ないけど  秋川先輩の唇が耳たぶを挟む。ぞくぞくする。  ぞくぞくして、ドキドキして、ドキドキ、ドキドキ、ドキドキ 「…ん、す…る……」 「ふふ…、タメ口かわい……」  キスを交わしながら、先輩が僕の髪に優しく触れた。  きもちい……  僕も先輩の肩や腕を撫でた。自分とは違う、大きくて硬い身体。  かっこいい  広い肩に腕を回してぎゅっと抱きついた。  僕の  キスしてる先輩の唇が笑う。  僕の  先輩も僕をぎゅうっと抱きしめてくれた。ちゅってまた跳ねるキス。 「俺の」  あ……っ  まっすぐに僕を見つめながら、秋川先輩が言った。すごく綺麗な笑顔だ。 「……ぼくの……」  この笑顔も全部。全部全部僕の。  秋川先輩が微笑みながら、うん、て頷いてくれる。 「そう。俺は保科くんの。みんなのじゃないよ?」  じっと目を見ながら、念を押すみたいに言って、そしてまたキスしてくれる。  うれしい  おなかに先輩の、当たってる。  ぎゅうって抱きしめ合って深く口付けた。  ドアをカリカリって引っ掻く音が、聞こえた気がした。
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