初デート

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「もー、疲れたから帰る!」 「ったく。リリーは助手席座って」 「やだ。エンヨーと後ろに乗りまーす」 「そもそも、そいつ送る予定ないから」 「悠星(ゆうせい)、早く帰りたいからうるさくしないで」 リリーは俺を連れて勝手に後部座席に座った。 「おい…。俺は仕事終わって、また他の仕事行ってたんだけど。リリーはなにしてんだよ、こいつなんも考えてないだろうに」 「眠いから静かにして」 リリーに寄りかかられた。もう寝てる?仕事のパートナーさんは、そのまま運転席に行って、移動し始めた。 「だいたい、あなたはリリーのなにがよくて彼氏に?」 無言かと思いきや、急に話しかけてきた。 「え、素直で優しいところ、ですかね?」 「つーか、彼氏なんていなかったのに。ナンパですか?」 「俺がナンパされました」 「…いや断れよ」 「もう彼氏なので、すみません」 「…言っときますけど、リリーは仕事終わったらアメリカに帰ります。あなたは一時期の遊び相手かなんかですよ?わかってます?」 「それはないと思います」 「どう考えてもそうだろが」 「リリーのこと信じます」 「信じて何になる?正直邪魔です」 「リリーにはそんなこと言われてないです」
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