守さん

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守さんの奥さんは、今は出かけてるとか。なので、俺も三つ子を家の中に入れるのを手伝う。そして、落ち着いたところで、ソファをすすめられた。 「ごめんね、手伝ってもらっちゃって」 「いえ!」 なんかお茶を入れてくれた。守さんは優しい顔で隣に座った。 「それで、相談って?」 「あの、俺学校辞めて仕事したいんです!配達のバイトをはじめたいのですが、チャリがなくて!お金貸してください」 頭下げたけど、こんなやり方で貸してくれるかな… 「…艶耀くん、なにかあったの?」 優くんみたいに、心配してくれるみたい。 「寮を出たいんです」 「それは、家族の人に相談した?」 「おじさんには。でも、よく考えろと言われて」 「どうして寮を出たいの?」 「彼女と住みたいんで」 「…彼女?」 「はい、彼女ができたので!一緒に住みたいんです」 「…えーと、寮には入れたらいけないの?」 「守衛さんが厳しいです」 「そうなんだ…学校を辞めたいのはなんで?」 「陸上する意味がわからなくて」 「あ、そうなんだ…」 「守さん、俺は彼女と結婚したいんです」 「…そ、そっか…その子と長く付き合ってるの?」 「いえ?この間はじめて遊びました」 「…それだけでもう決めちゃうの?」 「だめですか?」
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