ナンパ

3/6
前へ
/42ページ
次へ
学校でずっとリリーさんのことを考えた。 俺から連絡しない限り、また会えるかはわからない。 「うーん…」 悩む。 そうだ、逆に考えてみよう。もし、リリーさんが俺だったら。ナンパして、連絡先渡して振られる。まぁ、たくさんの人に声かけてて、そんなこと日常茶飯事かもしれないけど。 とりあえず、リリーさんが他に付き合ってる人いないか確認してみようかな…。 「市川(いちかわ)くん、珍しく勉強してる?」 「いやぁ、…ぼーっとしてただけ」 「あ。それ出しっぱなしってことか」 「そう」 教科書たちを机に置いているだけ。 「次体育だよ」 「ありがとう」 学校の人に相談できない。 人と深く関わるのが、怖いし、辛いし。 どうせ、俺なんて誰からも忘れられる。 関わるのがめんどくさくなるから… 体育ではバスケをした。集中していると、頭の中が整理された。 リリーさん、あなたのことをまず教えてもらえませんか? 東京にずっといますか? うん、まずこれを聞こう! 「よっしゃーー!」 「ナイス市川!」 シュートも決めたし、やるぞー!
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加