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その頃爺ちゃんたちも動き始め、この領土へ向かっていました。目的は隣のバーシアですが、ここの方が都合がいいようです。
ドアをノックした。
「ジョルジュよいか?」
「ああ、エルドレッドか?はいってくれ」
私は領主さまに背中を押されはいりました。
「その子は?」
「お久しぶりにございます」
王様は忘れていたけど、簡単に話をさせてもらったわ。
「この国が狙われているのは本当だったのか?」
ジョルジュ、どこからか聞いたのか?
昨日ここへ来るときに乗せてもらった馬車の中で、ナストールの主要な物がやめたと聞いてな。
へーそれだけでわかるのはすごいかも。
バーシア、バース、奥方の親戚は全てではないにしても、アルリアに飲み込まれているはずだ。
「今、おぬしの代わりにマリーがすべてを仕切っている、だがな、これはあくまで、目を背けるためで、王都で何をするにも筒抜けなのだ、そこでお前には苦労を掛けたが、こうしてここへ来てもらったのだ」
「私は、戦いを嫌っていたばかりに、身内にそのような者がいるなどとこれっぽっちも思わずにいた、私だけはよい王で有ればいいと思って…」
「今はまだ王様はいつも通りにお過ごしください、命令は二人のお子様に、次の世は確実に二人がこの国を背負うのです、今は私どもにお任せ願いますか?」
王様は、私に頭を下げてくださいました。
「さて、それでははじめましょう、王様、皆のいる部屋へまいりましょう」
部屋を開けるとそこには、王室の方々、そして爺ちゃんたちも来ていました。
「お父様!」
マリー様と抱き合う王様、そこには申し訳ありませんが皇子様と、バース領主はお招きしませんでした。
王子様には、ここで決まったことを母方の父である領主さまへ伝えに行くという大事な任があります。
先ずはバーシア。
バルード公の親戚筋ではない人望のあるお方をシノアさんは連れてきていました。
その人はある村の村長で、ミハエルもよく知っている人でした。
ミハエルは、人間であるというだけで、領土が揺らぐのは嫌だと、自分は次の領主を継がないことを宣言し、それを領主連盟の四人が承諾、王様も認めました。
ミハエルとシノアさんは抱き合っていたよ、だいぶ心配していたみたい。
シノアさんもまた、ルーべのように、民衆に紛れ込み、何とか逃れていた。ただ、何か起きたとき、偽王ボルートを殺してでもこの領地を護ろうとしていたのには違いはなかった。
ただ捕まったのがアルリアの下っ端たちで牢屋に入れられただけで済んだというのだ。
ただ町に出ればどこでアルリアの目が光っているかわからなくて、行動にはできなかった。
彼らはアロー叔父さんたちが見つけ出したんだ。
シノアさんがルーべを引き取るんだって。
シノアさんはバーシアの要人から、国へと移るそうだ、それはすごいね。
これを王子に届け、明日、新しい領主の任命式をバーシアですることになる。
そしてここからが本番。
エルドレッド公が、二人の男を呼びました。ナストール国の要人です。
彼らから、王を断罪してほしいとの願い。
エルドレッド公が、今何をしているのか話され、この領土も、バーシアと同じになる一歩手前だったことを告げました。
「では、アルリア教が関与していると」
「はい、今揺らいでいる国々からも、アルリアの名が出ております」
「もちろんこの国もですよ王様、王都は今まさに、アルリア教が入り込み、この国を自分の物にしようとしているのです」
アローおじさんと宰相様から詳しく話がされました。驚くのは王様だけではなく、各領主たちもです。
「王様、そしてこの小さき救世主のお力もお借りしたいと存じます、なにとぞお許し願いませんでしょうか?」
「チサの力とな?」
「王様、私からよろしいでしょうか?」アローおじさんです。
エルドレッド公は血を流さず戦いをした、チサの戦術は確かと言ってくださいました。
「血を流さずにか?」
「ですが、隣では多くの血が流れてしまった、それは我々、領主連合も反省しなければいけない」
ウムと言葉をなくす領主たち。
ですがここで止まっているわけにはいきません。アルリア教は着々とこの国を乗っ取ろうと画策しているのですから。
「画策とな?」
「はい、それはあちゅには、ここではっきりといたちまちゅ」
明日、ここであることが話し合われます、それにお付き合いくださいという、宰相(さいしょう)様と爺ちゃんです。
夜、台所におお兄ちゃんといると、ミハエルとルーベがやってきた。
大事な話があるというのです。
ルーベは、大人は信用できないからとあたりを見回しています。
おお兄ちゃんは椅子を持ってきて暖炉の前に座るように言います。
ルーベの話は、アルリアがしていたことです。
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