贈呈

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 自宅で仕事の準備をしているとインターホンで呼ばれた。  インターホンに付属しているカメラでは小柄の初めて見る男が映っていた。 「お届けに上がりました」  頭の中で記憶の中から配送される予定の物を考えたが特になかった。  俺が家で仕事の準備をしていることを知っている人が何か送ってくれたのだろうか。  まあ、何にしても届くのは嬉しいものだ。 「玄関開けますので待っていてください」  俺が玄関の扉を開けて、配達物を受け取ろうとしたら男は何も持っていなかった。  えっ、どういうことなんだろうか。 「あの、配達する物は?」  俺が怪訝な顔色を浮かべると、男は懐からサバイバルナイフを取り出した。  男はニヤニヤと不気味に笑っていた。  どういうことだ? 何だこれは?  俺は頭がパニックになって追いつかなくなった。  目の前でナイフを突きつける男の存在を受け入れられなかった。 「死をお届けに参りました」  俺が逃げようともがくより先に、ナイフが腑に突き刺さった。  恐怖と痛みで俺はパニックになった。  男の笑い声が聞こえた。 「殺し屋のあんたを殺せば金になるって聞いたんだ。裏世界にデビューする足掛かりにはいいだろ」  俺は自分が犯してきた過ちを深く後悔した。俺は人を殺して金に変えてきた。  仕事の準備のために部屋の中で銃の手入れをしていたが、ここからは手が届かない。  ナイフが何度も身体に刺さると、地面に夥しい血が流れた。  生命の終わりを感じた。俺が今まで多くの人間にしてきたことが自身に返ってきた。
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