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再び…辞めさせていただきます
セキュリティには問題がなくても、他に問題があるでしょ?
「どんな問題がありますか?」
しまった…音が漏れたか?
「…ここは花城社長のご自宅でプライベートな空間ですよね?」
「そうだが、ここで仕事をすることもある。あちらの部屋にちゃんとデスクがあるから問題はない」
どうしてドヤっているの?問題は他にもあるでしょ?
「私がここへ通勤するということですか?」
「そうだ」
「そういう特例みたいな…特別待遇というのは良くないのでは?」
「ヒロと同じように俺の秘書にする」
「秘書っ?っていうか……ヒロ…は富永さん?」
思わず指を指しかけて、クイッと指を曲げた手を中途半端に胸の前で彷徨わせた私に
「プライベートではヒロと都志です。従兄弟なんです…あまり知られていませんが」
と富永さんが教えてくれた。
「わざわざ言わないから普通は知らない。もう伍代さんは知ったということで、こっち側。ヒロが3月生まれ、俺が4月生まれで学年はヒロがひとつ上……って…何をしている?」
何も聞いていません…急に、こっち側って…拒否を示すために両手で両耳をしっかりと塞いだが…残念ながら聞こえてしまう。
「ここは伍代さんにとって快適。それならわざわざ何かを揃えるわけでもなく、仕事を続けてもらうのが一番だと、社長として最善を選択しただけです」
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