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「とにかく…」
わゎゎ…っ…イケメンの目力アップは迫力満点で怖いって…見つめないで……
「今日言って、今日辞めるなど常識的に考えてあり得ない」
ぇ…急につよっ…
「やってもいないことの時間配分なんて出来るわけもない」
……それは…ごもっともです…
「よって、明日から伍代奈津菜の、ここ勤務を決定する。以上…送ります」
もう言い返すことは出来なかった…トボトボと社長の後ろについて駐車場まで降りると
「富永さんは?」
「仕事。乗って」
社長自らハンドルを握って送ってくれるらしい。言われた通り、ナビに住所を入れると、静かに動き出した車内で
「私、あの社長の部屋に入れないと思いますけど…」
と最後の足掻きを見せる。
「大丈夫だ」
何が大丈夫なんだ…
「これまでと同じ9時出勤でいいんですか?」
「ああ」
もうヤケクソになって聞いているのが自分でも分かって…なんて日だ…とため息が漏れた。
「ここです、ありがとうございました」
「………」
今度は何?私のアパート前で車を止めた社長はゆっくりと外を見ているかと思えば、カチャ…はっ?シートベルトを外して車外に出た。もお…今度は何なんだろ…ちょこちょこ謎だよね…花城社長…
「ここは大丈夫なのか?」
私も車を降りて社長の近くまで行くと、そう聞かれる。大丈夫って?
「ここにヤツはいないのか…?うちの会社のきれいな段ボールより…ずっと住みついて居そうだが…?」
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