再び…辞めさせていただきます

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「…ムカ…っく……」 わなわなと震えながら、この花城都志に反撃したいとぎゅっと拳を…握るだけでなく、パーンチッ…とやってしまいたい気がした。 「一度も出てませんっ」 「去年の10月から、この夏が始まったばかりの7月中旬までは…だな。このあとがピーク」 ゾワッ…ぞわぞわ… 「あのね…花城都志っ…さん……あんなタワマン暮らしの人には理解出来ない努力をしながら、こっちは日々生きてるわけですっ!軽々しく、知ったようなこと言わないでっ…」 「軽々しくは言っていない。普通に疑問をぶつけただけ…なぜなら…コンビニとラーメン屋に挟まれたアパートだから。真新しいわけでもなさそうだし」 ブチッ… 「お金持ちには分からないのよっ。徒歩生活者が考える必要ロケーションとか、家賃をどれだけ抑えるかとか…引っ越しのたびにお金が必要で、自分に健康被害があるかもと思うレベルで玄関から部屋の隅々までいろいろと設置して、1ヶ月に一回シュッと撒けばいいと書かれた商品を毎週撒いて…お金がかかるんです…」 「すみません、ここの方ですか?」 はぁ?社長は誰に話し掛けてるの? 「つかぬことを伺いますが…ここであの…夏の風物詩というか…いわゆるGというヤツは見掛けませんか?」 「え、探しておられる?」 んなワケないでしょっ! 「今朝、ゴミ出し…そこですけどいましたよ。二階の人は先週かな…網戸に飛来とか言ってたし、暑いからいますよねぇ」 「そうですか。突然失礼しました」 ナンデスと…?
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