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「……キュ……給湯室に……………出た…って…………」
気持ち悪い………
「ああ、こんなこと初めてだけどイタらしいわね」
ソイツを処分する順番が回ってくる可能性のある仕事なんてやってたら命に関わるのよ…
「…伍代さん…首もと赤くなってきたけど……ちょっと…」
「辞めるんでっ」
もう上司との会話が噛み合っていないことを気にする暇はない。
「伍代さん、もしかして…Gが苦手なの?」
「得意な人はいないよぉ」
後ろからの声……そうよ、苦手どころではないの………
「「「「キャ…ァー」」」」
「「「伍代さんっ?」」」
気がついた時には、病院のベッドに寝かされていた。ベッドじゃないか…周りの機材から想像するに、ここは病室でなく、救急の処置室かな。
はぁ~やってしまった。けど、これであそこには戻らなくていい。いい会社だったけど、ヤツが出ただけでなく、処分の当番が決められるなんて…二度と出ないにしても当番があるってだけで無理だもの。
「あ、伍代さん。起きてますね」
「すみません…ご迷惑を…」
「まだここに来たばかりですよ。先生の診察を受けましょうか…体、起こせますか?」
診察の結果は特に異常なし。看護師さんの話では、会社からもうすぐ誰か来るらしい。
そう言われると勝手に帰る訳にもいかず、私は処置室を出て廊下の長いベンチ椅子に座った。
コツ…コツ…コツ…
「伍代奈津菜さん、ですね?」
ぇえぇぇ…っ…社長?こんなところで………何してるんですか?
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