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気を使わないわけではないけど、何とかやっている。この広いアパートのお仕事デスクを借りて…椅子の高さを調整して、一人の日も何とかやっている。
そのあと、週末に全館害虫駆除を済ませたということで、火曜日には一度私も出勤することになった。
秘書として、富永さん、社長…に続いて社長室に入ると
「とても場違いな気がします…」
と声が小さくなる。
「それは、変則二重人格の夏バージョンだからだろ。あとは…そうだな。形から入った方が楽なこともあるだろうから、秘書業務に相応しい服を用意する」
そういうものなのだろうか…
「では、これだけ持って下に降りていいですか?」
毎回パソコンを移動させるのは手間だからと、社長はスマホだけでなくタブレットも用意してくれた。それを持って、先週倒れた部屋へ向かう。
この給湯室に出たんだよね…と…誰かいるね。挨拶……
「G出世だって、噂もいいとこよ」
うん?G…って…まさかのアイツ?聞こえてきた声に足を止めた。
「辞表出したなら辞めればいいのにさ」
「だよね。富永さんは、社長が社の利益を考慮して引き止めたって言ってたけど、救急車騒ぎで退職者っていうのは体裁が悪いんだろうね」
「Gの好きな人間なんていないのにさ。伍代さん、うまいことやったよねぇ」
「ホント。この暑さの中、駅まで歩くだけでみんなしんどいのに…羨ましい」
「それだよね。伍代さんって、誰かに聞かれたら悪口言ってたってなるからGって言おっと」
なんですって…
「ギャハハ…ウケる…Gさんコソコソリモート中♪」
「Gはコソコソするものだよ」
「頭文字ミラクル!!」
「「「あははっ…」」」
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