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頑張ります
結婚…!?
驚き過ぎて涙が引っ込んだ私だけれど、もうあとの事なんて考える余裕もなかった。冬の私なら、こんな申し出に頷くはずもないのに、7月の私はコクン…頷いたんだ。
チュッ…
ぃ…いっきなり…デスカ……社長の唇が触れた額から熱が広がる。
「おめでとう、都志。伍代さんは…なっちゃんでいい?俺とも親戚だね、よろしく」
「富永さんと親戚…」
「そうだな。親戚が富永ばかりになるよな…ヒロも名前で仕方ないか…」
ずっと私の手を握ったままの社長…都志が私と視線を合わせる。
「…ぇ…っと…ひろさん?」
「テキトーでいい」
そう言って隣に座った都志が
「その話、誰に言われた?」
と私の髪を撫でる。少しビクッとした私に
「少しずつ奥さんになって、奈津菜」
とチョー優しく微笑んだ……ヤバい微笑みですね…至近距離でそれは……そういうのに目がないんです、私。
「…頑張ります」
「ん、頑張って。で、誰だ?」
「あ…っと、3人が給湯室で…だから言われたんじゃないっていうか…」
「タチ悪い奴らだな」
「ホント。直接言って来ないで3人でコソコソ、ゲラゲラ悪口言ってるってことだよね。なっちゃん、誰かわかる?」
「それ…わかると、どうなるんですか?」
あからさまに私が原因での処罰なんかがあると、自分勝手な考えだけど…それはそれでやりづらいな。
「奈津菜が関与したなど分からないように、時期をずらして3人をバラ異動。もしくは、調べてホコリの出る社員がいれば減給とか、個々に攻める」
「俺が聞いたことにして、給湯室がサボり室になってるということで、あの階の給湯室だけ閉鎖しようかな」
二人とも…悪い顔してます…
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