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「給湯室の閉鎖は…一番嫌だと思う…」
「腹黒いヒロの考えそうなことだろ」
「都志の腹の中を現実にするのがお仕事なんですよ」
二人とも黒いってことか…
給湯室が閉鎖されたら、飲み物を持参しないといけないし、朝買ったサンドイッチを冷蔵庫に入れておくなどが出来なくなる。ってことは、暑い真っ昼間に買いに出るか、保冷バッグ持参だよ…来客対応のある階ではなく、完全に社員用だから何かの理由で閉鎖されても会社側へ文句は言えない。ただ
“誰のせい?”
という詮索が続くだろう…心当たりのある人にとってはいたたまれない空気になるに違いない。
「じゃあ、サラッと行ってくる」
「奈津菜、ヒロと一緒に降りろ。仕事まだだろ?」
「うん…」
「なっちゃん、名前だけ聞かせて。分かると思うから。今は個人的に攻撃しないと約束するよ」
営業の篠田さん、営業事務の福田さんと石野さん。
「篠田って…奈津菜、担当してるよな?」
「…はい」
「もう少しこのまま頑張れるか?現場に飛ばしてやるけど、ちょっと現場の人員も調整してからな」
「そうだね、篠田か…なっちゃんの仕事見てたら、時々営業自身がやるべきことをやってるだろ?あれ、もしかして篠田の案件だったりする?」
「……富永さん…スゴい…」
「ん、それはそれで篠田も上も問題あり。少し時間をくれ」
社長の言う上は、篠田さんや私の上司だよね…私が考えることではないか…仕事しないと。
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