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「別行動だったのに、絶妙な…阿吽の呼吸ですね…さすが従兄弟って思いました」
社長室でそう伝えると
「奈津菜は俺と夫婦で阿吽の呼吸になる。ゆっくりとな」
そう応えた社長が
「椅子…蹴ろうとしただろ?」
と続けて笑う。
「いえ…ちょっとだけ…いや、止めようと…トラップです」
「急にサッカー?」
「元マネージャーですから」
「ダメだろ、それ」
「はい…?」
どういうことかと首を傾げる私の肩に両手を置いた社長は
「部室で何かされたりしなかったか?告白は絶対にされてるよな……そこは目を瞑るとして、イカガワシイことされなかったか?」
と真面目に聞いてくる。
「あの……」
「うん?」
「社長は部活経験者?」
「バスケしてた」
「そのバスケ部は…マネージャーにイカガワシイことをするんですか?うちは地元では、まあまあ強豪だったせいか、規律の厳しいクラブでした…みんな真面目で…同じサッカー部では告白もされてないですし…ぇ…そういえばバスケ部からは、上からも下からも告白…ぇえぇぇ…バスケ部ってそうなの?」
「………いや…そんなことはない。忘れてくれ…」
「都志の暴走…ウケるねぇ。はい、社長。会議10分前です。隣の部屋でオンラインミーティングに入って下さい。なっちゃんはここで俺と業務ね」
「はい、お願いします」
社長の暴走…バスケ部か…カッコいいところが想像出来るよ。
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