驚きの連続です

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「大丈夫です。では部長お二人に任せてよろしいですか?」 社長はもう退室するのかな…まあ役員レベルの人が3人も必要ないよね。そう思いながら、私はまだ見ていないアンケート回答を読んでいた。 「社長が責任を持ってと言ったのに、ここまでで放置ですか?」 「篠田さんと同じ気持ちです」 へっ?スゴッ… 「篠田と福田だな…」 と、柿本部長が立ち上がって、隣へ来ていた人事部長の手元の用紙を覗いた。 「篠田のあの言葉遣いでは、国内営業も店舗もまずいですね…英語が使えてもこの回答では…」 聞こえる呟きが怖いって… 「社長が先日“責任を持って”とおっしゃったのは、これらの回答の扱いについてです。人事異動について、社長一人で誰かをどこかへということはあり得ません。ここはシュネーズという会社組織ですから、きちんと意思疎通、それから現場管理と判断の出来る部長以上の役員が複数います。先ほど社長がおっしゃったように、部長たちとミーティングを重ねられた結果、最終的に人事部長に一任された部分があって当然です」 「富永くんの言う通り、私の仕事なんでね…でもまだ微調整が必要ですか…柿本部長…そうですよね…社長への口のきき方があれでは、二人とも…うーん…社員だけでなく、派遣さんもパートさんも完璧に計算したんですが…」 人事部長が頭を掻いているよ… 「そのままの内示で結構です。本人が承諾されたら、異動先の上司へ問題点の引き継ぎを徹底してください、柿本部長」 「承知しました、社長。では別室で個別に内示と…」 「部長っ、もうここで言ってもらっていいですっ。あとでコソコソと“どこ?”と噂されるのは嫌なので」 「HAHAHA…」 取ってつけたような笑い声を発したのは富永さんだ……富永さんというのがもったいないくらい悪い顔してます…って、隣の社長も…ヒロと都志…悪い従兄弟組じゃないか。
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