驚きの連続です

10/10

3093人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
「本当に商社にいたの?ここがアパレルだって分かってるっ?」 え…篠田さん…怖いって…距離があるけど噛みつかれそうで思わずのけぞった… 「いつもいつも同じような格好で、お洒落要素ゼロ。そんなので、よくここに就職出来たわねっ」 「それは全く関係ないでしょ?ここは店舗じゃないし…」 「僕も夏は毎日ポロシャツだよ」 デキる男子と枝野さんが驚いたように言う。 「篠田さん、雇用にまで何か言いたい?」 ……うん?人事部長…急にやさぐれました? 「うちはモデルを募集してるわけじゃないんだよね。仕事の出来る人を探してる。だから伍代さんが毎回リクルートスーツで出勤しようが、文句なし。このあと篠田さんとは私が責任持って面談します、社長。これではどこに行っても同じです」 「よろしくお願いします。さっきの話…伍代さん」 「はい…」 「ここにフルで戻るということに関して、今の意見は?」 ああ…都志と富永さんはここまで私を囲って守ってくれていたんだ…と彼らの視線と表情から読み取る。秘書は富永さんで十分。だけど、ここから一旦離してくれたんだね。 私が皆にちゃんと返せるものを持っているなら、やるのみ…だ。 「柿本部長と枝野さんが出来ると判断してくださったなら、出来ると信じてやるだけです。明日、ここへパソコンを戻していいでしょうか?戻りたいです」 で、決まったのはいいけど…また枝野さんがもぞもぞと言い出した。 「冷蔵庫…使いたいんだよね…出張が終わって来てみれば冷蔵庫が使えなくって、連日僕の愛妻弁当のピンチなんだよ…社長…なんとかお願いします」 これに多数の賛成があり、無事給湯室と冷蔵庫が使えることになった…想像していなかった驚きの展開だよ。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3093人が本棚に入れています
本棚に追加