3158人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
落ち着け…私…
「………会長は…今日は…?」
都志から会長へ結婚の連絡はしてある。
だけど都志は、親子断絶とまでは言わないけれど会長と付き合いをしておらず、富永と親しい。
「今日は来ていないわ、仕事じゃないもの。とにかく、あなたがいやらしい色気を出したんだと思うんだけど、今すぐ都志さんの部屋から出ていただけます?」
「……もう私の家でもあるんですけど…」
「フンッ」
ぇ…すごい鼻息?お嬢さんが…すごい…
「あなた、婚姻届が受理されたと思ってるのね?」
当たり前でしょ?…………でも、言えなかった…舞台女優のようなしっかりメイクの二人に睨まれ、狭い給湯室の奥へ後ずさる…
「なに?言いたいことは言いましょうね?」
怖い笑顔の金美さんの圧がすごいけど
「ちゃんと…記名して…私の保証人には富永さんがなってくれて……お義母さんが彼の保証人で…富永さんが提出してくれました……」
じわっと嫌な汗を感じながら伝えた。ふーっ…
「と、思っているだけなのよ。だから社内で結婚したと公表せず…」
「それはっ…」
金美さん、途中でごめんなさい…でも言わせてください。
「役員会のタイミングを待っている…それだけのことです」
最初のコメントを投稿しよう!