私が社長の妻です

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記念日…照れる… 「奈津菜、可愛く照れるのもここではダメだ」 シーン……とした中で、富永さんだけがクスクスと笑っている。 「なっちゃんも一言挨拶どうぞ」 「これからもよろしく、だけでいいぞ」 「ここで働くのはなっちゃんだよ?」 「結婚してもしなくても奈津菜は真面目に働くから何も変わらない」 「なんで、そんなになっちゃんの言葉をもったいなそうに言ってるんだよ」 「俺の奈津菜だから」 「ちょっとっ…従兄弟組で揉めないで…」 「「「「「「「「え、そこ?」」」」」」」」 富永さんと部長も含めた全員の声と視線が私を襲う。 「へっ…?いま…頭の上で揉めてたでしょ?」 「あらあら、へぇ~伍代さん、いい感じよね。そうでなくっちゃ、社長の嫁なんてやってられないわよ。部署はここのままでいいの?」 皆は“俺の奈津菜”に反応していたらしいが…私には免疫が出来ていて分からなかった… 「はい、田村さん。このままお世話になります。皆さん、よろしくお願いします」 「「「「「「おめでとう」」」」」」 ここで拍手に包まれ…報告終了でいいね。終わった… 「伍代で大丈夫か?」 拍手にまぎれて、都志が私に小さく聞く。 「うん、もうなんともないから」 「じゃあ、取引先にも言わなくていいな」 コクコク… 「質問いいですか?」 と手を上げた松井さんが、誰の返事も待たずに聞いてきた。 「今日の伍代さんのカットソーとヘアバンド、見たことなくて、それでいて似合っていて素敵だなと思っていたんですけど、社長セレクトですか?」 「ああ…この韓国のヘアアクセブランド、契約してきたので、こちらの部署へ引き継ぎます」 「「「「「ェエエエ…ッ…契約?」」」」」
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