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「キャーなっちゃん、お目が高いっ!」
「イタッ…」
「おいっ、奈津菜、大丈夫か?」
部屋に入って来た都志がなっちゃんを抱えて彼女の腕を擦って私を睨んでます…
「ごめん、ごめんね。興奮しちゃった」
ついつい…ぺしっと…手が動いたんです…ごめんなさい。
「なんで興奮してる?」
「なっちゃん、見る目があるからつい、ね…」
「私…お目が高いんだって…」
「さすが俺の奈津菜だな」
「一番高級なの選んじゃった?」
「いいだろ。これか?」
「うん」
都志が選ぶつもり?邪魔だわ…と思いましたけどねぇ、なっちゃんがすっかり都志にも選んで、という雰囲気なんでいいわ。
「一番高級なのは…そうね、この中ではこの竺仙かしら」
「そんなデザインは60になってからでいいな」
ほら、可愛くない都志が邪魔だわ。
「これ、奈津菜に似合う」
「そうかな…じゃあ…そうする」
可愛くない都志と、やっぱり少し照れてる可愛いなっちゃん…お似合いだわ。
「これ、お直しに出す時に都志の浴衣も作っておこうか?」
「わぁ、ぜひお願いしますっ、雪子さんっ!」
「任せなさい」
今日一番の笑顔と勢いのなっちゃんのお願いをきかないわけにはいかないですね。
皆様、富永雪子にお付き合いいただきありがとうございました。
【完】
*このあと2日間お休みをいただいてから、都志と奈津菜の日常を書きたいと思います。2日間のお休みの間、彼らのマンションにカメラを仕込んでおきますので、少々お待ち下さいませ*まぁ*
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