花城夫妻です! 【SS②】

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花城夫妻です! 【SS②】

「ありがとう、助かります」 「ん、機械がやってくれるだけ」 「それでもありがとうだよ、都志」 朝晩関係なく、時には昼にでも、気がつけば洗濯乾燥機を回す夫、花城都志。 昼というのは、会社内にいない方が仕事がはかどるとわかっている日には、このマンションの部屋で仕事をするからだ。 妻の花城奈津菜がありがとうと心から言えば、心身ともにやる気をみなぎらせる男だが、そこでガバッと襲い掛かることなく言葉を掛けるのが、この男の素晴らしいところかもしれない。今も 「洗濯は機械が毎回同じようにやるだけだろ?でも、奈津菜がこうやって作ってくれる食事は違う」 とキッチンで真新しいエプロンを着けた奈津菜の真横に立つ。 「買い物から始まって、テーブルに整えて完成まで、毎日違う手順と工夫と組み合わせとテクニックというすごいマンパワーだよな…その上、俺のことを想って作ってくれる」 うん…?素晴らしいところかもしれない…という彼の行動だが、よく見ると…彼は妻が照れるのを見てさらにがみなぎるようだ。 ああ…ついに、都志はまだ料理を始めたばかりの奈津菜にキスを始めてしまった…これは…いつ食事が食べられるか分からないパターンに突入… あと…彼はこのタイミングを狙っていたとしか思えない。なぜなら、奈津菜のエプロンを取る素振りも見せずに、その下のセットアップの膝下パンツだけ床に落とした…エプロンは残す日ですか…どうぞ、ごゆっくり…
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