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「……分かったぜ」 俺は特に困ることはないので、素直に答えた。 「さっきの曲は、『猫ふんじゃった』だ」 「……」 「何ポカンとした顔をしているんだよ。そういう曲名なんだって」 「……ひどい歌だ」 あんなに楽しそうなメロディなのにと猫又は肩を落としながら、黒いケースにギターをしまっている。 「僕は同族をいじめる歌を弾いていたのか」 猫又は暗い顔をしながら、ギターを背負った。 「そんなに落ち込むなって!」 俺は猫又の肩にポンと手を置いた。 「あくまでエンターテイメント。事実じゃなくて、フィクションさ!」
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