3-1. こぼれ話②

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 おっちゃんを見送ったあと、俺は再度家に向かって歩き出した。脳内にはあの言葉がリフレインしている。 ——蓮くんのこと応援してるよ! ワクワクするなぁ。  おっちゃんの顔は、期待に満ちてキラキラしていた。その表情を思い出すと、頭上にある太陽よりも熱い何かが胸にこみあげてくる。 「よっしゃ、やるぞ」  俺はそう意気込んだ。  あ、でも。ライヴといったら、バンドだよなぁ。  メンバー、どうしよう……。 真夏の太陽のもと、俺の悩み事は一つ増えたのであった。 《こぼれ話② -完-》
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