第1章 保護されて、結婚

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 次にエルーシアが目を覚ますと、視界に入ったのは見慣れない真っ白な天井。  驚いて起き上がろうとするものの、襲い来る空腹感には勝てず。また、寝台の上に横たわってしまう。 「……お腹、空いた」  しっかりと計算できていないが、軽く五日は食事を摂っていないだろうか。これでは、お腹が空いても当然と言えよう。  そもそも、生き物とは食事をせねば生きていけないのだ。多少なりとも人と違うエルーシアであっても、その根本の部分は一緒だ。 「なにか、食べ物……」  視線を動かす。なんでもいい。この際、果実水でもいいから――栄養を摂りたい。  そう思って視線を動かしていれば、寝台の隣にある小さなテーブルの上に水差しが置いてあるのがわかった。  正直、水だけで腹が膨れるとは思えない。それでも、ないよりは――と思って、手を伸ばしたとき。部屋の扉が開いたのがわかった。 「あっ! 起きられましたか!」  誰かが声を上げながら、エルーシアのほうに近づいてくる。その声は、聴きなれないもの。ついでに言えば、女性のようだ。 「お水ですか? すぐにご用意しますね」  その女性はエルーシアが水差しに手を伸ばしているのを見てか、すぐに動いてくれた。  側に置いてあるグラスに水を注いで、エルーシアに手渡してくれる。だからこそ、エルーシアはそのグラスに口をつける。  ひんやりとした水は、渇いた喉を潤してくれる。……が、お腹は満たしてくれない。
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