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今も母さんが亡くなった時くらい落ち込んでるから、康哉の弁当食べて元気になりたい。
でも、相手が俺を拒絶してるんだからどうする事も出来ない。
***
佐々木が俺の元気の無さを察してかは不明だが、カラオケに誘ってくれた。
カラオケなんてかなり久しぶりだ。
佐々木の友人がひたすら歌っている間に、佐々木が俺に話しかけてくる。
「修平、お前最近元気ないな」
「うん、まぁ……俺にもあるの。寂しいとか」
「そうか!そんな修ちゃんの為に、心優しい俺が飲み会を用意してやったぞ!」
「え?」
「見ろ!」
佐々木が見せてくれたのは、スマホの画面に写った佐々木と、知らない女の子の写真だった。髪が長くて明るい雰囲気の彼女は佐々木とよく似合ってる。
「え?彼女?」
「まだ違うけどな、俺のこと好きらしい。可愛いだろ!」
「何だよー自慢かよ。いいなー!ずるいぞ佐々木!」
「彼女がさ、友達紹介してくれるってさ。今週の土曜日にお洒落な店予約してるんだ。お前も参加するだろ?」
彼女が出来たら、この寂しさは無くなるんだろうか。
でもきっと今よりずっと、気持ちは楽になるはずだ。
「する」
「それでこそ修平!」
女の子にいいところを見せるために練習しようと、佐々木がマイクを向けてきたので、俺はヤケになって歌いまくった。
***
週末がやってきた。
特別楽しみにしているわけでもないけど、大勢で飲んだり食べたりするのは大好きだ。
カラオケで会った佐々木の友人と駅で一緒に待っていたら、佐々木と噂の彼女が揃ってやってきた。
「こんにちは~!」
明るくて元気な女の子だ。
友達の女の子達はお店に先に行って待っているらしい。
「仲良さそうだな」
こっそり佐々木に言うと、佐々木は少し不安そうに付け加えた。
「修平、実はさ……今日メンバーが足りなくて」
「え?」
「松田に声かけちゃったんだよな~」
「ええっ!?」
「松田って顔がいいからさ、彼女も松田に心変わりするんじゃないかと不安だ!俺って馬鹿」
「馬鹿……」
どんな顔して康哉に会えと!?
いや、嬉しい?なんで顔が笑ってるんだ。自分意味不明!
どんな気持ちで康哉に会えばいいか分からないまま、手で顔のマッサージをしているうちに待ち合わせ場所のお洒落なお店に着いてしまった。
「はじめまして」
「こんにちは~」
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