ずっと親友だと思っていたのに

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「お、俺が好きって……言ってたのに、浮気者」 「お前だってそうだろ?」 康哉のローション付の指が、容赦なく体内に押し込まれ、久しぶりに感じた違和感に、思わず声が出た。 「う!ああっ……」 「ごめん。痛かったか?」 謝りながらも康哉の指が抜ける気配はない。責めるように身体の中をかき回される。当然敏感な部分も擦られて、何とか避けようと思うのに、康哉がそれを許してくれなかった。 腰が揺れる。声が抑えられない。 康哉の前に無防備に全てをさらけ出して、みっともない姿のまま喘ぎ続ける。 「修平……」 康哉が熱っぽく俺の名前を囁く。 前と後ろを同時に刺激されて、頭が変になりそうだ。 「あ、イきそう……も、駄目」 そう言うと、康哉は恐ろしいことに震える俺の欲望をパクリと咥えた。 「あ!ちょっと待っ……」 舌で刺激されてあっさりと限界を迎える。つま先まで痺れるような気持ちよさと、康哉の口に出してしまったという罪悪感。 「……な、なんで」 「ベッドシーツは汚れると洗濯が面倒だから」 すんなり飲み込んだ康哉は、余裕でそんなことを言った。俺飲むとか無理なんだけど。そういえばこいつ変にきれい好きだった。俺とは感覚がずれてるけど。 放心状態でそんな事を考えていると、いつの間にかズボンを脱いでいた康哉に両足を抱えられる。 ちゃんとゴムを付けてくれている事に感動してしまった。 初めてかもしれない。 いや、ただの潔癖性か? そんな事ないよな。 それでつい、乙女みたいな事を聞いてしまった。 「康哉、俺の事好き?」 康哉は笑って、俺の足の間に身体を進める。 「ムカつくくらい好きだ」 なんだそれ……と思った瞬間、身体に感じる圧迫感。それにこじ開けられる感覚。 「あ……あああっ」 康哉はすごくゆっくりと腰を進め、俺が慣れるまで待ってくれた。 必死に息をして、なんとか痛みを逃がす。身体の中に康哉の存在を感じる。 「痛くないか?」 痛いけど、それより刺激が欲しくて首を振る。 康哉は思いのままに腰を動かし始めて、狭い部屋の中には俺の声とベッドのきしむ音と、肌がこすれる音だけが響く。 四カ月前にアニキに受けた特訓を身体が思い出したのか、痛みはすぐに気持ちよさに変わった。 全身を血液と共に快感が駆けめぐって、頭の芯が痺れる。 「ああっ……あっ……」
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