ずっと親友だと思っていたのに

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揺さぶられて喘いでいると、康哉が唇を寄せてきた。触れそうで届かない距離にいる康哉の髪を掴んで引き寄せ、唇を重ねる。 舌を強く吸われて、どちらのか分からない唾液が口の端からこぼれた。 一度だけ異世界で康哉に抱かれた時は、疲労と熱であまり覚えていなかった。 けど今回は康哉が俺に痛い事や辛いことをしなかったからなのか、康哉が何度か俺の中でイって、気持ちよさそうに瞳を潤ませるのも、俺の涙を舐めとるのも、気を失う事なく眺める事が出来た。 *** 「うう……疲れた」 意識があるとは言っても、身体は動けないくらいだるい。康哉はベッドに腰掛けてペットボトルの水を飲んでる。 「お前も飲む?」 頷くと、康哉が口移しで水を飲ませてくれた。冷たくて気持ちいい。 「シャワー浴びてくるよ」 康哉が狭い風呂場に向かい、一人になった俺はベッドで心地よさにまどろんでいた。 このまま康哉とセフレみたいになるんだろうか。別にそれでもいいか。気持ちいいし。また音信不通になるよりはましだ。 でも、眠いから深く考えるのよそう。 うとうとしていると、康哉が戻って来た。 そばで何か服を着ている気配がする。 それに車の鍵を取る音。 痛む身体に鞭打って、なんとか起き上がると康哉の腕を掴む。 「どうした?」 「……康哉、帰るのか?」 またお別れだろうか。 そんな不安が頭をよぎり、腕に力を込める。 「何か買ってくるよ。腹減っただろ? お前、店で大して食べてなかったから」 見てたのか。 ポテトくらいしか食べてなかった。でも正直空腹より睡魔が勝った。 「ありがと。今はいいや。でも俺……康哉の弁当食べたい。明日でいいから作ってよ」 そう言うと、康哉は目を丸くした。 「分かった」 それを聞いて安心する。 康哉がアパートを出るのを見送って、再びベッドに横になるとすんなり眠りに落ちた。 再び目を覚ました時はまだ夜中だった。時計の時刻は午前二時すぎだ。 同じベッドに康哉が眠っていた。 康哉と一緒に眠るのは何度目だろう。小学生の時はキャンプでテントに寝たりとか、俺の実家に一度泊まりに来たこともあったよな。 それがいつからか……全然泊まることもなくなって、高校卒業して独り暮らしになってもそれは変わらなかった。 康哉は彼女がたくさんいたし、潔癖性で自宅に他人を泊めたくないと公言していた。
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