ずっと親友だと思っていたのに

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「言っただろ、修平、俺は嫉妬深くて性格が悪いって」 「……そんなこと」 何て言おうかなやんでた俺のスマホに康哉から写真が届いた。見れば異世界の動物写真だ。珍しい姿の動物がたくさんおさめられている。 「うおお!すげえ。ありがとう康哉!」 興奮する俺を見て笑う康哉。 「俺の性格の悪さを、お前の優しさでどうにかしてくれよな」 「自分の性格は自分でどうにかしろよ!」 康哉の奴、ややこしい性格してるな。 *** それからしばらくの間、穏やかな日々が続いた。 大学に行き、バイトをして、休みは以前のように康哉と遊びに出かける。 前と違う所はそれにエロがくっついてくるようになったことだ。 もともと友人だからか、ためておくのが苦手だからなのか、俺は言いたいことは全部康哉に言うことに決めた。 例えば、翌日が学校だから腰が痛いのは困るから今日はエロ無しとか。 そういう時も、康哉は怒らずにちょっとエロいマッサージ程度にとどめてくれたし、お前に遠慮せず他の男友達と会うと言った時は、その後相当激しく抱かれたけど、無理強いとか痛みを伴う行為は無かった。 それに休みで一緒に遊ぶときは本当に楽しかった。動物園に行ってラクダやタヌキを見たり、異世界の地図を眺めて行ったことのない場所の話を聞いたり、真夜中にドライブに行ったり。 不思議なのは、康哉と一緒にいると心霊現象に遭遇しないということだ。 俺が怖い目に会うのは決まって一人でいるときで、康哉と一緒にいればなんの現象も起きなかった。 *** 康哉が海外移住の話を切り出したのは大学も一年が過ぎようとした時だった。 「移住!?」 「そうなんだ」 「ええ?どこに?」 話を聞けば康哉は、大学を卒業したら海外に移住しようと思っていたらしい。それもアジアだ。 「希望はタイかシンガポール、その辺りならどこでもいいな」 「何で?」 潔癖性の康哉が?それとも俺がおもっているだけで、タイってかなり綺麗な国なのか? 「似てるんだ。俺が異世界で過ごした風景と。だから移住しようと思ってる。希少動物を保護する仕事に就きたい」 俺の知らない間に、康哉はいろいろと考えていたらしい。 「だからさ、修平」 「え?」 「一緒についてきてくれ。俺の人生の……パートナーになって欲しい」 康哉に言われて呆然とした。
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