本編01.悲しき女の性

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  「じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらいますね、亜美さん。……帰るぞ、姉貴」 「ちょっ…と! 私なら自分の足で歩けるから……! お、下ろしてってば…っ」 ジタバタともがいてはみるものの、男の力に敵う訳もなく。 「あんまり暴れるようなら、ここでぶん投げてやってもいいんだけど?」 ……なんて、物騒なことを口にするものだから。 大人しく蒼の腕に収まるしかなかった。 まぁ正直なとこ、今ここで下りたとしてもまともに歩けなかっただろうし。 しかし、蒼の肩幅ってこんなに広かったっけ? 私を抱き上げる腕もがっしりと筋肉が引き締まってて、なんていうか……男っぽい感じ。 「な、なにドキドキしてるのよ、私」 「なんか言ったか?」 「う、ううん! なんでもない」 落ち着けー自分。 相手は弟。意識してどうする。  
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