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「じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらいますね、亜美さん。……帰るぞ、姉貴」
「ちょっ…と! 私なら自分の足で歩けるから……! お、下ろしてってば…っ」
ジタバタともがいてはみるものの、男の力に敵う訳もなく。
「あんまり暴れるようなら、ここでぶん投げてやってもいいんだけど?」
……なんて、物騒なことを口にするものだから。
大人しく蒼の腕に収まるしかなかった。
まぁ正直なとこ、今ここで下りたとしてもまともに歩けなかっただろうし。
しかし、蒼の肩幅ってこんなに広かったっけ?
私を抱き上げる腕もがっしりと筋肉が引き締まってて、なんていうか……男っぽい感じ。
「な、なにドキドキしてるのよ、私」
「なんか言ったか?」
「う、ううん! なんでもない」
落ち着けー自分。
相手は弟。意識してどうする。
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