本編01.悲しき女の性

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  そう頭では言い聞かせてみるものの、一度意識してしまうと蒼の容姿を目で追ってしまう。 私の真っ黒で所々癖のある長髪とは違って、蒼の髪は生まれつき色素の薄いサラサラの茶髪。 襟足だけ長めで後は短く、程よく整えられている。 「……い、……ねき」 右分けになっている前髪の奥から覗く二重瞼の瞳は、切れ長でありながら一度見つめてしまうと目が離せない。 バランスよく通った鼻筋。 薄く引き結んだ唇。 180を超える身長はすらりとしながら、私を軽々と抱き上げてしまうほど逞しい。 ……悔しいけれど、蒼がモテるのも納得だ。 「おいっ! 姉貴!」 「へっ?! な、なな何!?」  
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