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「何よ? ホテルじゃないなら、どこなの? ここは」
「いや……ホテルはホテルなんだけどさ。俺も腕が限界に来てたし、仕方なくっつうか……」
「?? ハッキリしな──」
──しないわね。と続けようとした言葉が途切れる。
“ある物”を見つけてしまったからだ。
普通のホテルならば、ロビーにはあるかもしれないソレ。
しかし販売されている中身は、この場所だからこそ売られている代物だと思う。
「ん? どうした? 姉貴」
「あ、あれ……」
私の異変を感じ取って首を傾げる蒼に、指を指してソレの存在を示す。
指の先を目で追って、私が言わんとしていることが蒼にはすぐ分かったようだ。
「あー…えっと、アレ見たんならもう言わなくても分かると思うけど……ここ、ラブホ」
「あ、あぁ、そ、そう……なんだ」
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