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素直にお礼を言うと、頬を赤らめながら私に背を向けてベッドに腰かける。
こういう時は生意気な仮面が剥がれて、少しは可愛く見えるのにねぇ。
「あーあ、でもまた彼氏作りに失敗しちゃったか」
「…………」
わざとらしく愚痴をこぼしてみるけれど、蒼は背中を向けたまま無反応。
何よ、弟なら慰めのひとつも掛けてくれてもいいのに。
やっぱり可愛くない。
「ねぇねぇ、蒼はさー彼女とか作んないの? あんたモテるんだから、私とは違って女の子なんか選り取りみどりでしょ?」
沈黙というのもなんだか気まずいので、適当に話題を振ってみた。
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