本編02.姉弟の一線は?

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  目の前には吐息が掛かるほどの距離に蒼の顔。 その後ろには、薄明かりに照らされた天井だけが見えていた。 ──つまり。 私は蒼に押し倒されていた。 「姉貴はさ、なんでそんなこと知りたいワケ?」 「なんでって……別に、ただの好奇心っていうか」 何故こんな状況に陥っているのか分からず、しどろもどろに返事を返す。 蒼と……目を合わせられない。 そりゃ私達は凄く仲の良い姉弟とまでは言わないけど、家族としての時間を今まで積み上げてきたはずだ。 それなのに。 今私の両手首を押さえて、組伏せるこの男は誰?  
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