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「好奇心…ね。それを聞いて姉貴は後悔するかもしれないけど、それでも知りたい?」
「後悔って……どういうこと?」
ざわざわ。ザワザワと。
胸の奥が落ち着かない。
私を見つめる蒼の眼差しは恐いくらいに真剣味を帯びていて、息が詰まる。
これまで同じ屋根の下で長年暮らしてきたというのに、こんな風に蒼を恐いと感じたのは生まれて初めてのことだった。
「それを説明するとなると、それなりの覚悟が必要だと思うけど」
「さっきから何なの? 後悔とか、覚悟とか。意味が分からないわよ」
「……だろうね。俺だって、未だに分からないぐらいだから」
「……蒼?」
なんだか、泣きそう。
睫毛を伏せる蒼の頬に無意識に手が伸びる。
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