本編02.姉弟の一線は?

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  そのままそっと手のひらで頬を包み込んであげると、蒼が驚きに目を見開いた。 「あね……き?」 「そんな泣きそうな顔しないでよ。抱き締めてあげたくなるじゃない」 うわ、弟相手に何言ってるんだろ、わたし。 アルコールがまだ抜けてないのかも。 でも……何故だか放って置けなかった。 まるで行き場を失った迷子の子猫のように、自分の居場所を探し求めてさ迷っているように見えて。 胸の奥がきゅうっと苦しくなった。 「はは、こんなこと言うなんて。まだ酔っ払ってるのかな、私」 「ふ……そうなのかもな。でも……」 悲しげだった瞳が和らぎ、無表情になる。 そして、私の身体がふわりと暖かい何かの重みに包まれた。  
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