本編02.姉弟の一線は?

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  「……ありがと」 ギュッと蒼の腕に抱きすくめられる私の身体。 肌を通して聞こえる互いの心臓の音。 トクン。トクンと。 規則正しく刻む鼓動の音が、なんだか無性に心地が良かった。 そして……こんな風に私を求めるような仕草を見せる蒼が、何故かとても愛しく感じてしまった。 「蒼、そろそろ離して」 でもダメだ。 無意識に働く理性が、危険だと訴えかけてくる。 これは弟に対して抱いてはいけない感情。 芽吹いたばかりの今なら、まだ間に合う。 だから一刻も早く蒼から離れなくては。 「嫌だ」 「蒼……」  
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