本編02.姉弟の一線は?

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  「ごめん。ごめんね……蒼」 私の胸に顔を押しつけるようにして、蒼を抱きしめる。 身体が成長したと思っても、中身は私が知っている蒼と変わりない。 そして私の知らないところで、蒼は気持ちをずっと隠し続けてきたんだ。 こんなに泣くほどに、苦しみながら。 「俺も……ごめん。姉貴を好きになって、ごめん」 「バカね」 肩越しに聞こえる、蒼の震えた声。 それを耳にして、より一層強く蒼を抱き締めた。 人を好きになる気持ちは、誰にも止められないもの。 例えそれが、世間的に許されない相手であったとしても。 私は慰めるようにそっと蒼の頬を引き寄せ、触れるだけのキスを目尻に、頬へ。 最後に唇へと落とした。  
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