本編03.濡れた肌を重ねて

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  「ま、この分なら通り雨だろ。すぐに止むよ」 「うん……」 制服の上に浮く雨の雫を払う蒼の隣で、私もバッグから取り出したハンカチで顔を拭う。 濡れたせいか、寒気がする。 ぶるりと肩を震わせた。 「姉貴、寒いのか?」 「ん……少し」 寒さを凌ぐように自分の身体を抱きしめる。 ……と、突然蒼がブレザーを脱ぎだし、次いでシャツのボタンまで外し始めた。 「ちょっ、ちょっと。なんで脱いでるのよ?!」 「上は濡れちまったけど、下はそんなに濡れてないからさ」 だからって、何で脱ぐ必要があるのよ! 脳内は軽くパニック状態。 ボタンが外れていくにつれて、露になる逞しい胸板が視界の端に映る。 嫌でも意識してしまう。 蒼も、男だってことを。  
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