本編03.濡れた肌を重ねて

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  「ほら、気休め程度にしかならないかもしれないけど、貸してやるよ」 ふわりと肩に掛けられたシャツ。 まだ蒼の体温が残っていて、じんわりと暖かい。 「い、いいよ。蒼こそ、風邪引いちゃうでしょう?」 せっかくの好意を無下にするようで申し訳ないけれど、こんなの羽織ってなどいられない。 チラリと横に視線をやれば、逞しい上半身の裸。 お、落ち着かない……。 「じゃあ、姉貴があっためて?」 「は? ……っ!?」 いきなり何を言い出すのかと仰ぎ見れば、目前に迫る蒼の筋肉質な胸板。 次の瞬間には、蒼の腕の中に捕らわれていた。 「ほら、これなら姉貴も暖かいだろ?」 「う、うん……」 直接触れる人肌の暖かさ。 恥ずかしいとも思うのに、どうしてこの腕の中はこんなに心地いいんだろう。  
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