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耳を澄ませると聞こえてくる。
ドクン、ドクンと。
少し速いリズムで刻む、鼓動。
これは私? それとも……蒼?
どちらから聞こえてくるのだろう。
「姉貴さ……今、凄いドキドキしてるだろ?」
「なっ! し、してないわよ!?」
まるで頭の中を見透かしたような蒼の問いかけに、今度は別の意味でドキッとする。
ビックリして声が裏返っちゃったし。
冷静に考えてみれば、こんな場所で半裸の弟と抱き合っているこの現状も、ヤバくないだろうか?
(……人の目に見つかる前に、離れなくちゃ)
しかしその考えも、次に移った蒼の行動に吹き飛んでしまうことになる。
「ふーん。じゃあさ、確かめてみようか?」
「確かめるって……んっ」
首元に蒼の顔が埋められ、吐息が耳朶を掠める。
そこから徐々に下り、首筋をなぞるように唇で啄まれて。
胸のドキドキが更に増したような気がした。
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