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「姉貴は嘘つきだね。本当は、ドキドキしてる癖に」
「~~…っ」
首筋の脈がよく分かる場所を蒼の唇がなぞり、反論出来ない。
自分では見えないから分からないけれど。
きっと、今の私の顔は真っ赤だ。
どうしてこんなにも、私ばかり翻弄されているの。
告白された側は蒼ではなく、私の方なのに。
いつの間にか蒼に主導権を握られているのが……なんか、悔しい。
「そ、そんなこと言って、蒼だって私にドキドキしてるんでしょ?」
恥ずかしいのを押し隠して、私は強がりを言って見せた。
蒼が私と同じようにあたふたと慌てるのを期待して。
しかし、蒼の反応は私の期待に反して、あっさりと認めてしまったのだ。
「あぁ、してるよ。今すぐここでキスしたいくらいに」
「え──」
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