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それは胸の奥の片隅にある罪悪感のせいだろうか。
お母さんの顔を見ると、少なからず申し訳ない気持ちを抱かずにはいられない。
まだその罪には手を出していないとはいえ……ね。
片足は突っ込んでしまった訳だし。
「そりゃそうよー。その年になって彼氏の1人もいないんじゃ、お母さんも心配で心配で」
「あーはいはい。もう分かったから。買い物行くところだったんでしょ?」
話が長くなりそうだと踏んだ私は、お母さんの背中を押しながら玄関の外へと半ば強引に促す。
「行ってらっしゃい」
「もう……まぁいいわ。それじゃお母さん買い物に行ってくるから、留守番お願いね」
「分かってるってば、一応車とかには気をつけてね」
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